お得なのは一括納付です。
以前は前納割引と言っていましたが名称が変わりました。
小規模共済の年払いにしたらお得と聞いたので、少し調べてみました。
正確には年払いではなく、別に余裕がある時に一括で支払う前納割引であり、前納すると減額金を受け取れる仕組みです。
メリットデメリットや注意点があるので慎重な判断が必要です。
一括納付と前納減額金について
まず、前納減額金を受けるためには、掛金を「前納」する必要があります。
一括年払いとは違う支払い方法ですので注意が必要です。
前納減額金は次の計算式で求められます。
掛金月額×0.9/1,000×(累計前納月数)
小規模共済のHPによると
Q:掛金を前納すると割引がありますか?
A:掛金を前納した場合、割引に相当する前納減額金があります。
https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/faq/installment.html#no3
前納した掛金に対し、前納月数1ヶ月あたり1,000分の0.9に相当する額を前納減額金としてお支払いします。
(前納減額金は毎年3月末時点の前納状況で計算し、合計額が5,000円以上になった場合に、その年の6月にお支払いします。)
なお、前納減額金の支払いを受けた場合は、所得控除として申告する掛金額から前納減額金の受取り額を差し引く必要があります。
・前納掛金は、その該当する月が到来しないと共済金の算定の対象とはなりません。
・前納掛金は1年分まで、その年の所得金額から控除できます。
掛金月額5万円の共済契約者が、平成28年11月に当月分を含め12か月分(前納11か月)60万円を納付した場合
https://www.smrj.go.jp/doc/kyosai/s_bookmark.pdf
50,000円×0.9/1,000×(1+2+3+4+5+6+7+8+9+10+11)=2,970円
毎年3月末に集計し、合計額が5,000円以上になった年の6月にお受け取りいただけます
ややこしいです。
計算式の中の括弧の数字は何月分かではなく、前納月数(何ヶ月前の分か)です。
そして前納減額金は合計金額が5000円以上になったら受け取れます。
我が家は月額掛金が70000円なので1年分前納するとしたら4,158円受け取れます。
70,000円×0.9/1000×(1+2+3+4+5+6+7+8+9+10+11)= 4,158円
掛金上限の70,000円の場合でも1年分前払いしても割戻金を毎年受け取れません。
ですが確実に減額になります。
ただし、上記HPにもありますが、前納減額金の支払いを受けた場合は、所得控除として申告する掛金額から前納減額金の受取り額を差し引く必要があります。
前納するなら1月に11ヶ月分がおすすめ
前納したら全額(前納期間1年分まで)がその年の所得控除の対象となります。
2021年12月に前納を1年分した場合、計2年分払い込んだことになるので、2021年の所得控除金額が増えます。
ただし、2022年の所得控除額がなくなります。
※2022年12月に2023年分を前納すれば2022年の所得控除となります。
もしある年に突発的な事情により所得が増えた場合や、次年度以降明らかに所得が減るのであれば、次年度を前納することで今年の所得控除額を増やすことができるのでメリットがあります。
しかし今後も継続して現状水準の所得があり小規模共済を行う計画があるのであれば、翌年の所得控除分を食ってしまわないように、1月にその年の12月までの11ヶ月分を前納するのがわかりやすくておすすめです。
※そのためには前年12月中旬までに手続きを済ませる必要があります。
※1月の引き落とし時に一年分ガクンと残高が減るのでしっかり計画が必要です。
年払いや半年払いなどの払込方法(払込区分)に関係なく、今年中に払い込んだ金額がその年の所得控除の対象になります。
小規模共済チャットボットより
なお、前納掛金は前納期間1年(12ヶ月)分以内のものが、その年の所得控除の対象となります。
手続き 小規模企業共済のHP
手続きについて小規模共済のHPにフローが掲載されています。
2つの質問に答えると教えてくれます。
STEP1 手続きの締切日
手続きの締切日
- 申請書が中小機構に毎月20日(12月は15日、土日祝日の場合は前営業日)に到着すると、翌月の口座振替日(18日、土日祝日の場合は翌営業日)に当月分の掛金とご希望の一括納付額の請求がでます。
- 預金口座振替の方は、振替日(18日)の前日までに、一括納付額を指定口座にご用意ください。
また、掛金請求は、一括請求依頼額の総額で行いますので、総額に満たないと振替、受領はされません。 - 掛金請求月に納付が無かった場合は、再度の一括納付額の請求はありません。あらためて申請をしてください。
手続き後の掛金請求スケジュール
申請書が中小機構に毎月20日(12月は15日、土日祝日の場合は前営業日)に到着すると、翌月にご希望の一括納付額を請求します。
STEP2 申請書の入手
『一括納付申請書(様式小205)』は、ダウンロードいただくか、プッシュホン電話による「定型書類の自動発送サービス」を利用してお取り寄せいただけます。
STEP3 申請書の記入
所定の書類に必要事項をご記入ください。
記載方法がややこしいので念の為小規模共済に電話等で事前確認するとスムーズです
STEP4 委託機関での確認
小規模企業共済の業務を委託している団体または金融機関の窓口に書類を提示し、確認印を押してもらいます。
私は共済金を引き落としている銀行口座の窓口に持参しています。
イレギュラーなケースなのかいつもベテラン窓口さんに引き継がれ、確認に時間がかかります。
STEP5 書類の送付
直接小規模共済に送ります。
送り先
〒105-8453 東京都港区虎ノ門3-5-1 虎ノ門37森ビル
独立行政法人 中小企業基盤整備機構
共済事業グループ 小規模共済契約課 行
小規模共済とは
ざっくりいうと節税にもなるお得な退職金制度です。
小規模共済のHPからの引用です。
小規模企業の経営者や役員の方が、廃業や退職時の生活資金などのために積み立てる「小規模企業共済制度」。掛金が全額所得控除できるなどの税制メリットに加え、事業資金の借入れもできる、おトクで安心な小規模企業の経営者のための「退職金制度」です。
https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/index.html
加入20年立っていないと原本割れしたりする可能性もあるので運用は慎重に、、、
まとめ
年払いにすれば最初から割引します!という民間の保険料と違って少々ややこしいですが、前納することで前納減額金が戻ってくるので多少割安になることはわかりました。
我が家は一度試しに前納してみようかと思います。
皆様もご自身の状況に合わせてご検討されてみてはいかがでしょうか。
2024/02/15 追記
2023年に土地の譲渡所得が発生したので2023年中に2024年の分を一括納付しておけばよかったと今日気がつきました。
ああ、所得控除が、、、、勿体無い。
そしてそもそも手続きを忘れていたので今年はできません。
小規模共済のサイトが更新されており、一括納付についてわかりやすくなっていました。